赤い月

なぜ赤い月なのか 少しだけ話そう

母に生き写しの我が姿

父より継がれた我が血の類い

断ち切ることができない血の記憶

それが全ての始まり

父は我に母を重ね

母は我に父を重ねた

我が心の叫びは赤き涙となり

白い月も染める

月が赤く染まる時

何かが起こりそうな不安な想いに駆られる

この身を強く抱きしめて

大丈夫だと言って欲しい

月が赤く染まる時

誰よりも愛して欲しいと

言葉にならない情念が溢れる

どれほど 我が血を流せば

生まれ変わることができるのだろう

写真という「狩り」を覚えた

残酷な想いほど美しく

狩って 狩って 狩り尽くして

赤い月の光の下 嬉々として 獲物をかざそう

今宵もまた 赤い月

白いものが赤いというだけで

人は何を思うのだろう